ナノレスト・シリーズ
ナノレスト・シリーズは、最先端のナノテクノロジーをベースにセメント製品や窯業製品、木材等々の各種素材に対して改質・耐久性向上などの性能向上を実現します。
ナノレスト・・サプリ
ナノレスト・サプリは、ナノ単位でチューニングされた超微粒子のケイ酸水溶液を主成分とするコンクリート用改質強化剤です。コンクリート製品に塗布することで速やかに浸透し、コンクリート内部に、存在する未水和のセメント成分やアルカリ物質と反応してアモルファス(非晶質)物質を生成します。
このように、コンクリート内部の空隙を充填(=改質)することにより、コンクリートをより緻密に強化し、ひび割れの発生や進行拡大を抑制します。 施工可能な材質 コンクリート、モルタル。 コンクリートの劣化原因 すぐれた耐久性を有するコンクリートですが、その耐用年数は①初期条件(原料の品質、原料の配合比率、作業環境など)、②環境条件 (沿岸地域、湿地帯、降雪地域など) 、③使用条件( 交通量の多い場所や化学薬品を扱う工場、食品工場など)に大きく左右されます。環境条件や使用条件に伴う主な劣化原因は、下の一覧に示すとおりです。ただし、多くの場合にはコンクリートの劣化原因はひとつに限定されず、複合的な要因がからみあって劣化が進行します。
主な劣化原因 | 主な環境条件・使用条件 |
中性化 | 炭酸ガス(大気中の二酸化炭素)がコンクリートの成分と反応し、 pHを低下させる現象。経年変化に伴い進行する。 |
塩害 | 塩化物イオンの進入によりコンクリート内の鉄筋が腐食し、爆裂 を生じる。海岸・沿岸地域、凍結防止剤散布の多い箇所で多発。 |
凍害 | コンクリート内部の水分が凍結融解を繰り返すことでひび割れを 生じる現象。降雪地帯や寒冷地に多い。 |
アルカリ骨材反応 | コンクリートに用いられた反応性骨材がコンクリート内部の水と の反応で膨張し、ひび割れを生じる現象。 |
化学的腐食 | 化学薬品(酸性、アルカリ性物質)や食品(砂糖、食塩、酢)などを扱 う工場、温泉地(硫化物、アルカリ成分)など。 |
疲労 | 通行量の多い箇所における震動や、地震や火災などによる被害。 |
主な劣化原因とその現象
コンクリートの劣化原因はさまざまで複合的ですが、その現象は主にひび割れや汚れ (白 華 、錆 汁 、カビや苔 )などの外観上の変化として現れます。 このような変化を放置すると、ひび割れ箇所から内部に水や劣化原因物質が進入し、更なるトラブルの原因となる恐 れがあります。
ナノレスト・サプリのメカニズム
ナノレスト・サプリは、コンクリート内部に深く浸透し、ひび割れの発生や拡大進行を防ぎます。ナノレスト・サプリはコンクリート内部の未水和の水酸化カルシウムやアルカリ物質と反応して内部の毛細血管や微孔空隙を充填し、コンクリートを緻密にします。ナノレスト・サプリの成分はナノオーダーの超微粒子であるため、 コンクリート表面から内部にしっかりと深く浸透します。また、塗布前 / 塗布後の低圧散水が不要のため作業性にもすぐれています。
ナノレスト・サプリの効果
- クラックの修復・防止
- 強度増進
- 白華(エフロレッセンス)抑制
- アルカリ性の回復
- 中性化の進行抑制
- 余剰水や過剰な湿気を放出
クラック(ひび割れ)はコンクリート劣化の第一歩
コンクリート表面に生じたヘアクラック(微細なひび割れ)は、コンクリート劣化の第一歩です。ヘアクラックを通じて水や劣化原因物質(二酸 化炭素、塩化物イオンなどのアルカリ物質)が内部に侵入します。ナノレスト・サプリはコンクリート内部に深く浸透して不溶性のケイ酸カルシウム水和物を生成します。この生成物がヘアクラックを充填しコンクリート躯体と一体化します。 また、この生成物にはひび割れ追従性があり、紫外線などの影響を受けないため、長期間に渡ってひび割れの進行拡大を抑制します。水の通り道を閉塞し劣化促進物質を固定化させることで、白華(エフロ)や凍害、アルカリ骨材反応などのトラブルを未然に防ぎ、再発を防止します。
新設のコンクリートの場合
打設直後にコンクリート表層部の蒸発が促進されるとセメントの水和反応が不足し、密度が低いまま表面が硬化してしまうことがあります。水和結晶密度の低い部分からは、さらに微細空隙内部に存在する水和セメントペーストからの吸着水(ゲル水)の消失が進み、それに伴い体積の減少によってひび割れが発生します。 この現象は「乾燥収縮ひび割れ」(プラスティック収縮ひび割れ)と呼ばれます。ナノレスト・サプリは、コンクリート内部に結晶層を形成して空隙を充填し、コンクリートの密度を高めることで、初期乾燥収縮によるひび割れの発現を予防します。
既存コンクリートの補修の場合
ナノレスト・サプリは塩化物イオンや有害骨材(アルカリ金属物質)、未反応のコンクリート成分とイオン置換反応を生じ、不溶性の物質を生成します。 その結果、コンクリート内部の有害物質(水溶性アルカ リ物質)量が著しく低減します。コンクリートにとって有害なアルカリ物質を固定化させることで、ひび割れの発生や進行拡大を抑制します。ナノレスト・サプリは塩害、アルカリ骨材反応(AAR)、白華現象、凍結融解作用などコンクリートにおけるさまざまなひび割れトラブルを解決します。
ナノレスト・サプリの中性化抑制効果
コンクリートの中性化とは、大気中の二酸化炭素(炭酸ガス)が少しずつコンクリー ト表面から内部に進入してコンクリートの成分と反応する現象です。コンクリート内部の細孔溶液はpH12のアルカリ性です。中性化してもコンクリート 自体の強度にはあまり影響しませんが、pH11より中性に傾くとコンクリート内部の鉄筋表面にある不動態被膜が消失し、鉄筋の腐食(酸化による錆の発生)が進行します。このため構造物の強度が著しく低下します。また鉄筋がさびて膨張すると、コンクリートが爆裂し、内部でひび割れ(ポップアウト)が生じる場合があります。コンクリートの主な劣化原因のうち「中性化」はすべてのコンクリート構造物に関わる現象です。なぜなら、いかなる構造物も時間の経過という「老化」を免れることはできないからです。
塩害はコンクリートを内部から攻撃します。
塩化物イオンなどのハロゲンイオンは局所的に不動態被膜を破壊します。沿岸地域 や融雪剤(塩化カルシウム)を散布する地域では、塩化物イオンがコンクリート内に進入し急速な鉄筋の腐食が進行します。ナノレスト・サプリは、すでに内部に進入した塩化物イオンを固定化し、コンクリートを緻密にすることで更なる進入を抑制します。
ナノレスト・サプリによるアルカリ性回復効果
築後約30年が経過したコンクリート橋脚にナノレスト・サプリを塗布。その後コアを抜き、中性化試験 ( フェノール フタレイン反応 ) を実施。
改質・強化に加えて接着強度を高め、プライマーとしても最適
仕上げ塗装は美観だけではなく、中性化や塩害からコンクリートを守る目的に有効です。しかしコンクリートは湿気や水分によって微量に膨張や収縮を繰り返します。特に新築の場合にはこの変化が顕著です。まだ「若い」コンクリートの呼気を妨げると、躯体表面に微細なヘアクラックが生じたり、塗装材のフクレやハガレ、タイルの剥離などのトラブルの発生原因となります。 ナノレスト・サプリを塗布すると、塗料やモルタルとコンクリートとの接着性を高めます。ナノレスト・サプリはプライマーとしても最適です。 すでにフクレやハガレ、クラックが生じている建物の補修時にも、塗装を剥がした後のコンクリート躯体にナノレスト・サプリを塗布すると再塗装をより長持ちさせることができます。特に寒冷地においては早期にクラックを補修することで凍害の予防となります。
施工要領
(実際に施工される場合は、より詳しい施工ガイドをご確認下さい)
事前確認: ナノレスト・サプリ標準品:施工可能な外気温は5℃以上、45℃以下。 ナノレスト・サプリ寒冷地:施工可能な外気温は氷点下5℃以上、45℃以下。
周囲の養生:ガラス・アルミ・化粧タイル・樋・手すり・自動車などに付着すると変色する恐れがありますので、必ずビニールフィルム等で養生を行います。
下地処理: 0.1㎜以上のひび割れやジャンカ、爆裂等は補修を行います。 清掃・洗浄:アルカリ洗浄剤を使用し、高圧洗浄機およびブラシ等で施工面のカビや苔などの汚れを除去します。
塗布: ローラー刷毛や刷毛を使用してナノレスト・サプリを均一に塗布します。(水等で希釈することはできません。必ず原液で使用します)飽和状態になるまでしっかりと塗布して下さい。2回塗りの場合は、1回目に塗布した材料が乾燥してから行います。
さらなる詳細データは追って追記されます。